死にゆく鯉2

五番街、中華街の信号の色、赤だった気がするけど。書かないとやっぱりだめだね、ぼくら、消えてなくなりそう。毛布を二枚頼む君の横顔をもう見ることはなさそうだし、大切にされていいんだからねって、ぼくが言える甲斐ないし、春になったら海に行こう、冬に死ぬのは物語のオチにはあまりに安っぽく熱しやすいし、夏に死ぬのはちと寒いから。