2021-08-01から1ヶ月間の記事一覧

ア、秋1

花が散る夢を見ていた午前四時揺らぐ雲間の速さを知らず 潔癖症故に己が身削り取り君で満たした七文字を捨つ さまざま。 シャッターの降りきった、繁華街横道の、確かな栄えの名残りを感じ、暗闇の中に寂しさはあまり見当たらず。 梅の花が落ちていた。亡霊…

夜な夜な酒を飲み歩く白痴みたいなものだから、素面の頭で捉える街はどうしようもなく淋しく見える。

膿まず身体

胃がキリキリと軋むから 昨晩は猫が瓦礫となりました 遠くに鼠が走り去る 倒置構文に神は宿らず。 菫が揺れて風が後から吹き出した 胃がキリキリと軋みそう 今晩も猫は瓦礫となりつつあり ジヒドロコデイン欠乏症 儚いね、儚いね 眼球には海があります 海に…

アスファルト十字星 沸騰寸前の血液を瞬間冷凍する 焦点が合わない 現実を見据える右目 と虚構のみ直視する左り 空腹に宿る神は不当な希死念慮。 ペットボトルに閉じ込めた海 蟻の巣に水を注ぎ込む 「だって神様になりたかったから」 洪水、脱出パック故障は…

<何もしないから何もしないでくれ><近づかないから離れないでくれ><動かないから見ないでくれ><話さないから聞かないでくれ><顔を上げないからぶたないでくれ><何もしないからそのままでいてくれ> / 願うことすら何かをしていることになるらし…

意味を求めるからこそ人生は疲弊する、しかし、無-意味を愛するためには意味をその分直視せねばならず、どこまでいっても人生は疲弊するものであるらしい

静電気、みたいな愛し方

インスタントとはつまり、破壊の象徴、愛のおさがり。息災。

「海をグラスに収められたらどれだけ愉快だろうね」「FIJIは宇宙に漸近してるのかしら、」「ねえねえ見てみて、赤い海、二人で愛そうね」「文章も魔法じゃないから」「また話したいなあ」「……」「……」「ねえ、ごめん」 音楽が遠くから聞こえる 「

七時前に目が醒めて、喉が渇いた。感受性の欠落なんて、感受性って何だよ、怒らなきゃ、怒って黙って、黙って、黙って、怒らなきゃ、怒らないと、生活は、随分長いなぁ

>文法不在1

僕らみな、資本に食わしてもらっているのだから、使うコードが違うだけ、君も僕も弱者には違わないのに、何故。何故。君らはいつも弱者のふりをした獣だから、隠しもつ、その針は怖い、文脈をください、文法を教えてください、先生は今どこにいますか 欠落を…

作詞1

cf> "知恵の林檎を今更食べても遅いから" 死にたい季節/神聖かまってちゃん

嚥下三首

外へ出ると雨が降り、屋内へ逃げ込めば雨は止み、天にも嫌われてりゃ世話ないなあと思ったり、そんな日々がつづいては、腐蝕する精神性、凍傷寸前、無痛で酷でパラノイア

なついあつ10

僕が歩き続けるのは、あるはずのない居場所を探し出そうとしているからなのかと、すこし思う

なついあつ9

蟋蟀の鳴き声と共に七夕の街を闊歩している、やはり、少しだけ、淋しい。 きみの幽霊と見るつもりの花火も、今夏はどうやら見れないらしい。昨夏、一昨年や五年前の夏も又、目を閉じたままに過ぎてゆく。

なついあつ8

命を賭す、という事、今は少し、考える

約二人に一人が癌に罹患し、約十人に一人が抑うつから抜け出せない時代に老いて、仮にそれらの不幸を免れ得たとして、本人が生にのめりこめていなかったならば、その生存延期に苦しむのはそれこそ何人に一人が味わうのだろう