2021-07-01から1ヶ月間の記事一覧

生前、という語には、僕らが生まれ落ちてしまう前、という意味も含まれる

なついあつ7

何も書けずに苦しくて、ただ寝転んでチェーホフの戯曲を眺める等 かもめ、ワーニャ伯父さんの結末の違いが何度読んでも身に沁みる 希望は、ある、はずなのだから

あついなつ6

寂しさと共闘しているふりをして、けれど惨めさは己が身に未だ巣食っており、皮膚一枚隔てては内側からぼろぼろとコンクリートの如く虚飾の我が剥がれ落ち、自らへ、己が嫌な内面を曝け出し続けているかのようで、ひどく落ち込んでしまったり

あついなつ5

きみらが祈りと無縁の日々を手に入れられます様に。ぼくだけがそんな事を祈ったりすれば、それで、それで、結局は

あついなつ4

徹底的な好き嫌いの無さが内にこびりついた虚しさの原因なのだと、改めて、自己の希薄と好き嫌いの無さのあまりの連関、もしくは、何かに期待し裏切られる事への恐怖から自らを放棄したのだろうか 放り出したものは、もはや帰って来なかった 何かに気がつい…

扇風機三首

虚しさは春 夜の上に眩む由 蜜月視覚情報嵐 春嵐 ゴミ箱の灰 大胆な君を真似たか、矍鑠放棄 熱に浮く水母の如き 時の海 零時過ぎまで犬を演じる

沈みゆく錨の如く身に沁みるお前じゃないよそうね私は

虚飾1

ゆめゆめ忘れることなかれ。夢は夢だという事を。夢は夢ゆえ、美しいという事を。寂しいノイズ、寂しいノイズ。二度言葉を繰り返し、貧乏神に重ねてみるも、くるくる回って砂は溢れて。客引きが死んでしまった繁華街、ネオン倒置法、青い幽霊、緑な生霊。 「…

変則喘息

空き缶の海に飛び込んで脳漿炸裂、痛みが増えればいいと思う、きっと忘れるための痛みだろうから。 建設途中のラブホテル、幾人の憎悪が渦巻いているのか 白亜紀ロマンス旅行に出掛けて二度と帰れず涙は枯れゆく 変則喘息、焦土決戦、熱病予報へ全速前進 壊…

ラブヘイト

「オニイサン。それ、痛み止めじゃないです」 「いいですひとつ痛み増えれば」 ひぐらしを殺して回る夢を見たコーヒーカップに溜めため血潮 泣いていた少女が熱病田舎へと帰る代金失いました 空き缶やペットボトルが転がって溺れゆく部屋寂しさの街 ぐらぐら…

なついあつ3

久しぶりに、飛行機雲、見たな。 ねっちゅうしょう。変なの。 結局、此処にも、居場所、ないや。

例えば、痛み止め、のような、愛

とある会話の断片2

「知恵のきのみを食べてなかったことにするために、ぼくらは酒を飲むのサ。だってほら、酔っ払っている間はどこか、かみさまも優しくしてくれている気がするじゃないカ」

なついあつ2

タクシーが走る、僕ばかりが取り残されている。 飲み込んだ、星が逆流し、喉元過ぎればなんとやら。熱を冷却。冷えた缶コーヒーと、黒猫は鬱に踊るのだ。 音楽が鳴らない夜だから、僕はブルーシートの上に眠る事だってできやしない。寄生虫にだって恋人は居…

なついあつ1

何に対して怒られているのか、よくわからないのだけれども、これだけお怒りなのだからきっと、僕が悪いのだろう。慣れてしまった、怒りの通過、処世術。きっと、慣れてはいけなかったのだろう、僕はもう、何にも強くなれなくなってしまったのだろう。

梅雨前線4

池袋は東急ハンズ前、光るネオンが視界の隅に焼き付いて、僕は今や、ひとり、ひとり淋しく、国分町とやらを雨に濡れて、歩く、歩く、足が痛いや、風邪ひいちゃいそうだよ、でも、歩くしかないからさ、イヤホンの音量を上げちゃえば、ひとりが一人じゃなくな…

ドント・ライト・マイ・ファイア

面映いノ/イ/ズの響く粉末よ宙に消えゆく我が焼香 ドント・ライト・マイ・ファイア。キャメルの匂い、愛おしき君へ、短い小説をひとつ、書きました。長いのは、どうにも中途で没になってしまいますが、いつか仕上げてみせますから、もうすこしばかり見守って…

感傷海抜五メートル

映画『ソナチネ』 北野武の、胸奥にひそむ、寂寥の、余りの深さにひどく耽溺す。 約90分。これほどまでに淋しさが、溢れ氾濫していては、私は啞となる他はなく。 孤独をみたす術はなく、孤独を探る時のみがあり。 現実と虚構めくるめく、虚構であれどその生…

とある会話の断片1

「生きるには金が要る。息をするのにも、息を止めてしまうのにも、金が要る。八方塞がりだ、ぼくらは産まれ落ちて以来もう何処へも行けやしない。余りに、侘しい」