仙台駅前、右手にワインボトル、残金60円

枯れた花、とは言えなくて、いつまでも枯らした花と言うような、そんな生活

言葉少なに祭りの跡地

今日も天井が白いなと思う日々は果たして健康的なのか僕にはどうも未だに分からないけれど

本当の声の温度で伝わればいいや、だなんて嘘言わないで うたかたに溶けた記憶と音楽とあなたの寝顔古びた写真

置換方程式

新緑が目に痛くて、この先あと幾年、ぼくが何をしようが、この風景にぼくはいないのだろう、そんなことをふと思った。

五年や八年、自らの手で耕しつづけた土壌に、どうせこの場所は死んでいるから、なんて、気まぐれ、悪意の種を撒いてしまって、そこに偶然雨嵐、土は潤い、種は芽吹いて、悪意の花が咲き誇る。 一度咲いてしまったら次々と、咲き狂い、いずれ私は死んでしまっ…

もう二度と目を醒ますことなく、酔いも醒めないままに、胃薬なしには生きていけない様な生活なんておさらばをして

朝日。割れたガラス、膝を擦り剥き、手の平からは血が滲んで滴っている。 「すごくどうでもいいことなんて、やっぱり、ないよ」 「僕ら、ずっと上手に生きられないね」 「カエルが鳴くから帰ろうか」 彼女の帰りを待っている。 明日、明日から。 死に体の劣…

千年後の幸福は思考停止で祈れるが五十年後の幸福は祈ることができない、それどころか捨ててしまいたいとさえ思っている、小雨の日に歩きスマホをする時に抱くような、そんな小さな苛立ちが続いて、そのうち怒りさえも攫われて

飼育1

朝起きたら蚰蜒が一匹死んでいた。 アンモニア、余程生きたかったのか、口は静止の綺麗な遺骸。 梅雨を待たずに死にゆく蚯蚓。 干からびた街並みの片隅に、こびりついて、剥がれない、ペンキの青み。 白む空、ちらちらと、言葉が遠く。 蜈蚣に喰わせれば済む…

雨漏り1

雨音を聴きながらタバコを吸ってああ今日も働けないやって寝不足でがなる頭の中でぐるぐると過去の行いへの贖罪なんかしてみたりしてあと二箱しかタバコ買えないし缶チューハイだってもうなくなるしそんな浅薄な憂うつ

星1

ぱちん。星が一つ、二つ、多分、三つ。雨降りの夕闇の匂い、ペトリコール。 「近頃は僕、お酒ばかり。」 そうしてまた、 「ショウヒセヨ。ショウヒセヨ。」 言葉が浮かばなくなって、久しい。こうして途切れ途切れ、連ねてみるも酷く、酷く虚しい。 「酔っ払…

こんな雨降りの黒光りする街の片隅で乾涸びたミミズが幽霊かの如く、後悔の念

倦まず身体、熱病予報1

「あいつは書くためになら何でもするよ」 「全部ポォズだ、嘘吐きだ」 「ええ。」 「それで、虚飾の真の美的感覚、分からんか?」

とめどない希死念慮。腫れた肝臓。さようなら

今は亡き2/29

文章を書き連ねてゆく、遠いところまで連れて行ってくれそうな、そんな気がしている。波が寄り、離れ、また寄る、その区間の秒数はヒトが母親の胎の中、安らかに眠っている時の鼓動と同じらしい、なんて、嘘、嘘、滅多な事は言うもんじゃありません、でもそ…

柔い光に当てられて、

飲み込む言葉が増えるほどに人間嫌いが加速して、だからといって他に縋る当てもなく、遮光カーテンから溢れ流れ込み、眼球へ突き刺さる陽光や、登校途中の少年少女らの話し声、ゴミ収集車のアナウンス、あと幾年か、あと、幾年か、眩む、爆ぜる、アラームを…

つまらない人間になっていく、面白かった時があったか定かではないけれど、果たして明日吐き出す言葉がどれだけ真摯であろうか

飽きないでいて、枯れないでいて、隣で眠っていておくれ

死にゆく鯉4

閉じ込められていた。夢から醒めない。夢遊病? だったら好いけれど、きっと、そうではなさそうだし。 「試しにビンタ、してみよっか?」 赤らんだ頬に、潤んだ瞳。ここ数年、何をしなくとも、涙、溢れちゃうや。 「痛みって、食べるものなの? 飲み込むもの…

死にゆく鯉3

結局、どこにも行けなかったな。 月曜日、過ぎて火曜日、水槽のエアーポンプ音が室内に響き、空回り、生きることの及第点、試験の対策方法ばかり滔々と語り続けた先生たちはぼくらに何一つ教えてくれなかったから、燃え落ちる灰がたまりきる、その前にはここ…

手放した孤独の重さがどれほどの価値を備えていたのか気付けぬままに

死にゆく鯉2

五番街、中華街の信号の色、赤だった気がするけど。書かないとやっぱりだめだね、ぼくら、消えてなくなりそう。毛布を二枚頼む君の横顔をもう見ることはなさそうだし、大切にされていいんだからねって、ぼくが言える甲斐ないし、春になったら海に行こう、冬…

死にゆく鯉1

シトラルプラスエルの夢シトラルプラスゼットの命 コントロールできない、涙

「自分を憐れむな。自分を憐れめば、人生は終わる事なき悪夢だよ。」

アルプラゾラム、3000円が9800円になるポーカー。傷心中の冬に鳴く蝉、ゲームセンター、レトロなノイズに恋した乙女、後ろ姿ばかりを思いだす、「その貝殻に耳を当てたら、涙を流す堕天使がいたよ」罪ばかりを数え、罰を忘れて、青ざめる林檎と幽霊曲線、2…

GIFひとつで僕は晴れてしまった、君は曇って、見えなくなって、雨が降れば地面が固まるだなんて嘘、そんな嘘、嫌い、ぬかるみ、泥濘、大仰な夢、言葉は眠り目は醒めなくて、固くなってしまったピザ、好きな気がする、商いといえど、それでいいかな

死んでしまおうと海へ向かった事を笑いに変えようとしてしまう僕の弱さよ、泣けない泣けない。タクシーで帰る。高くついたな。