2021-12-01から1ヶ月間の記事一覧

中央線に飛び込めなかった二年間、リフレインとばかり皆は言う、悪の華、猫又、そういやアイドル、愛されたかっただけなんだって、それあと何度言えば気が済むの?

白痴の如く炭酸が作る気泡を見つめてるそういえば今日は命日僕らの命日

世界は冷え冷えとしていて満たされる事は決して叶わず、僕は温かい液体になりブランケットにくるまって世界終末論の達成を、ふたご座流星群の降り注ぐ夜を、いつしか海に還ってゆく破れかぶれの夢夢の成仏を、貴女がまたここに居てくれるような世界線への瞬…

寒暖8

言語不透明の世界で道標を失って僕は君を探しに横断歩道にできた水溜りを跨ごうとする

君がいない夜に青黒く滲んだ鯨が泳ぐから焼香代わりの煙草燻らせ何度目かの夢を見る

寒暖7

退勤後、帰り道、家にたどり着いてしまわぬように、遠回り。一日が終わり、そうして新しく始まってしまわぬように。その道すがら、貴女の事を考える。傷を付けたのか、傷を舐め合い、そうして少しだけ互いに噛み跡を付け合ったのか、今ではどうにも分からな…

寒暖6

絶えず、身体のどこかに痛みを抱え、その痛みは決して手放してはならないと、そう思う。

麻痺。自覚なき。

寒暖5

息切れ。酸素不足の寂寥。ぴかぴかとイルミネーションが孤独とは何かを照らしつづける。青椒肉絲にも飽きたから、もういい加減、死んじゃおっか。屍人が死人をなじる冬の明方に、烏が一羽死んでいた。飢えと寒さに殺されたのだとしたら、それは幸福な事だろ…

砂漠蠍の涙の悲しみたるや

寒暖4

彼女はまるで烏のような女の子だった、烏の羽の青の濃淡の美しさは、近くで見なければきっと分からなかっただろう。 僕は生活の音を見つけた。夕焼けと朝焼けの空隙の中に。見つけたその音は、探していた音とは似ても似つかなかった。