春現1

 服を着たままの透明人間や、誰の目にも映ってしまう幽霊のことを考えていた。私を見ないでくれ、目を背けてくれ、或いは、ぼくに気が付いてくれ、目を背けないでくれ、どちらもありえる話だから。その複合なのかもしれない。

 

 心が弱りきっているからか、眠れない日々と眠りつづけてしまう日々と、彩色が飛ばされたかのような日々と呼吸を忘れるほどの色の洪水に襲われる日々が、繰り返し起こっては止み、また起こる。

 

 池袋、東急ハンズ前、ゲームセンターのネオンはどこか淋しそうに見える。