梅雨前線2

近頃はあまり本を読めず、村上春樹神の子どもたちはみな踊る』や夏目漱石の初期三部作をどうにか読む程度。執筆にも身が入らない。丁寧に読む他なく、ゆっくりと時間をかけて読んではいたが、読むべき本が積み重なる一方で心に染み入る言葉の羅列を見つけることもできたりする。浸透圧、核からの伝播、意識したい。

 

話は変わり、オッドタクシーというアニメの最終回がとうとう放送された。一生涯、心に残ると言えば嘘になる、しかし、現代に生きるぼくらにとってかけがえのないものであるのは確かだと、そう思った。

 

又、映画『ダークシティ』を観た。デジャヴの連続が起こり、ようやくこれが三度目の鑑賞だと気が付いた。主人公は最後に告げる、心が知りたくて脳をいじったところでそんなところに君らが求めているものはないのだと。作られた記憶に付随する、例えば性行為をした記憶さえ紛い物であり、その作られた記憶を元に僕らが愛し合っていると勘違いをしているならば、これほど恐ろしいことはないだろう。

 

ぼくら、人間、を規定するものは一体何なのだろう。他者との繋がりさえも虚構であれば、いったい僕らに何が残るのだろう。

 

確信は、転じて孤独の類義語。寂しいかな、寂しいよな。